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マンスリーチャレンジの戦い方/大戦略を考えよう

5月のマンスリーチャレンジ(MCS)が終了し、既に様々な構築や感想記事が公開されていますね。

自分は4181位という、反省点の残る大会でした。

さて、今大会の振り返りを行う中で、次回以降の戦略に関する気づきがありましたので、記事にしてみます。


〇「戦略」の階層構造

いきなりポケモンの話からそれますが、所謂「戦略」と呼ばれるものは、複数の階層から構成されています。

本記事では簡単に次の3つに分けます。

  • 大戦略(上階層)

  • 戦略(中階層)

  • 戦術(低階層)

これらはポケモン対戦にも当てはめることができます。

戦術は選出や技選択、交換などのプレイングに関する内容を指します。

戦略は、パーティの方向性や環境への対策等、構築全般に関する内容を指します。

そして大戦略は、目標やそのシーズンやレギュレーションを通してどう戦っていくかの、全体的なプランニングを指します。


本記事は、MCSにおける大戦略に焦点をあてた内容となります。

〇MCSとランクマッチの違い

MCSとランクマッチは、レギュレーションやレートの奪い合いによる順位の変動という要素は同じですが、次の点が異なっています。


  • 開催期間と試合回数制限

  • エントリー制の有無

  • TODの有無


この違いから、MCSとランクマでは取るべき大戦略が変わります。



⚫︎開催期間と試合回数制限

ランクマッチの開催期間は概ね1ヶ月間、試合回数は期間内である限り無限にこなせます。

一方、MCSは開催期間は3日間、試合回数は45回に制限されており、ランクマに比べると超短期戦と言えます。


回数制限があることにより、稼げるレートに限りがあります。

5試合こなした場合を試算してみましょう。

レート変動は±16とすると、

  • 4勝1敗(勝率80%、レート+48)

  • 3勝2敗(勝率60%、レート+16)

両者の獲得するレートには3倍の開きがあります。

ランクマであれば、勝率60%でも試合回数を3倍こなせば勝率80%に追いつけますが、MCSではそうもいきません。

つまり、MCSでは勝率の重要性が、ランクマよりも相対的に高くなります。

より良い勝率のために、構築の完成度(戦略)、プレイングの安定性(戦術)の重要性が上がるわけですね。


MCSを本番に見据え、ランクマッチでひたすら構築の改良と扱いの習熟に取り組む必要があります。


MCS2026.05の1位の方の最終レートは1876.870でした。

1500からスタートするので、376.870の勝ち越し。1試合±16とすると、376.87÷16=23.55...、概ね24試合勝ち越しています。

45試合−24試合=21試合、この21試合は±0のため、10.5勝、10.5敗。

45試合フルでこなしているなら、大体35勝している計算になるので、1位を取るための必要勝率は約77.8%ということになります。


⚫︎エントリー制の有無

MCSはエントリー制であり、事前にパーティを登録する必要があります。

エントリー期間は大会開催1週間前から、大会終了までとなっています。

一度登録したパーティ内容は、期間前であれば修正できますが、大会期間中には変えることができません。


ランクマッチでは潜りながら改善点を構築にフィードバック可能ですが、MCSではそれができないということですね。

(この点は、従来のランクマプレイヤーの議論の的にもなっています。)

このため、エントリーまでにいかにパーティ(戦略)の完成度を上げられるか、いかにそのパーティの使い方を熟知するか(戦術)といった点が重要になってきます。


⚫︎TODの有無

TOD(Time Over Death)の有無も重要な要素ですね。

ランクマでは時間切れの場合は引き分け処理になりますが、MCSでは残りポケモン数の多い方(同数の場合は、残HPの割合が高い方)が勝利します。


このルールの違いから、MCSではドヒドイデやブラッキー等の受けポケモンで固まった、いわゆる受けループ構築との遭遇率が上がります。

受けループは、負けなければ勝ちという究極の防御戦略です。

チャンピオンズから対戦を始めた人の場合は、MCSでいきなり出くわす事になります。

対策を用意できていなければ遭遇=負けを強いられてしまいます。回数制限のあるMCSでは大打撃なため、対策は必須になります。

MCS2026.05では、こだわりメガネやハチマキ等の火力補正アイテムがないことも、受けループに追い風となっていました。


〇MCSにおける大戦略

さて、ここまでMCS特有の要素を見てきましたので、これを踏まえて、次の視点から大戦略を構築してみます。

  • 大会に参加するタイミング

  • 構築の方向性

  • TOD対策

基本的には45試合戦い抜き、上位を目指すための大戦略ですが、逆算的に「○○位を目指す」といった目標にも応用の利くものかと思います。



⚫︎大会に参加するタイミング

まず大会に参加するタイミングですが、これは可能な限り遅く参加する「レイトレジストレーション作戦」がよさそうです。


レートの変動は±16を基準としていますが、実際にはここにレート格差の補正が入ります。

対戦相手のレートが自分より多ければ、勝ったときに得られるレートが多く、負けた時に失うレートが少なくなります。逆もまたしかりです。

ということは、実力が同レベル、または、自分のほうが勝っている相手であれば、自分よりレートが高い相手とマッチングしたほうがお得ということになります。


ここで重要なのが、大会に参加するタイミングです。

MCSもランクマも、期間後半になればなるほど、プレイヤーのレートがインフレしていきます。

低レートのプレイヤーは撤退し、中〜高レートのプレイヤーは上を目指して残るインセンティブが働くことからです。


極端な話ですが、もしあなたがMCSで10連敗したら、その後も参加し続けますか?

おそらく構築に致命的な欠陥があるのですが、前述のとおり、大会途中では構築の見直しができません。

「まあいいや、ランクマ行こ。エルレイド貰ったし…

という感じで撤退するのではないでしょうか。

この場合、150前後のレートがばら撒かれた一方で、大会会場からはプレイヤーが一人消えます。

分子が多くなる一方で分母が減るので、単純計算で一人当たりのレートが高くなります。

ざっくりした解説ですが、これが期間後半にレートがインフレする仕組みです。

つまり後半に始めれば始めるほど、格差マッチを狙いやすく、1戦あたりの稼ぎが大きくなるわけです。

格上相手なら負けても失うレートが少ないので、ローリスクハイリターンで上位を狙いに行きやすくなるというわけですね。


ただ、遅く参加するにも限度があります。

45試合しかできないということは、45試合は戦いたいので、自分の可処分時間と相談する必要があります。選出~対戦終了までを平均10分と仮定しても、450分=7.5時間かかります。

ほとんど労働みたいな時間ですね。最終日の昼くらいまでには参加したいところです。

メンタル管理などの対戦外の要素も必要になるので、ぶっ続けで対戦するも難しいでしょう。


日曜日に8時間近く対戦するのは、何か大切なものを失っている気もしますが勝つためには必要なことと割り切ります。


⚫︎構築の方向性

レイトレジストレーション作戦を行う場合、時間との勝負になりますので、1戦あたりの時間が短くなる構築を目指したいところです。

優先順位としては、対面構築≧ギミック構築>攻めサイクル>受けサイクル>TOD構築でしょうか。

対面構築やギミック構築は、読みや交換といった要素に時間のとられるサイクル戦に比べると試合時間を抑えやすく、短期決戦であるレイトレジ作戦との相性がよさそうです。


逆に言えばTOD構築とのかみ合わせは最悪ですね。

TOD構築を使う場合は、各日15試合ずつこなして試合時間を分散させたほうが得策でしょう。

ただ、TOD構築は同じTOD構築と遭遇した場合、試合難易度が極端に上がります。ランクマッチでの遭遇率が低く、TOD構築vs.TOD構築の経験値も稼ぎづらいため、個人的にはあまりお勧めできません。



⚫︎TOD対策

1戦1戦の勝利が重要なMCSでは、TOD対策を切ることはできません。


対策の方向性として、大まかに2つ記載します。

1つ目は、パーティ全体でTOD構築に強い構築を作るというものです。

すなわち高火力のポケモンや、両刀のポケモン、挑発やみがわり持ち、スカーフトリック、火力積みポケモン等を並べ、相手の受けポケモンの役割を破壊する戦略ですね。

ただ、TOD対策を意識しすぎて、他の構築への対策がおろそかになっていないかに気を付ける必要があります。


2つ目が、4~5体で完結する構築に、1~2体の対TODに特化したポケモンを加えるというものです。

基本選出2体+補完の1体という選出パターンの構築にし、構築の5~6体目に対策ポケモンを並べることで、あらゆる構築に強い構築を目指すというものですね。

メガルカリオやメガゲンガーは昔から受け対策としてメジャーなポケモンです。

一方で、メジャーなポケモンは、受け側も対策をしていることがほとんどです。

このため、用意しておけば絶対安泰とも言い切れないのがネックですね。


どちらの方向性で構築を組むかは、個人の得手不得手の部分になりますので本記事では結論は出せません。このほかにも受け対策はいろいろありますしね。




○最後に

戦術の上には戦略があり、戦略の上には大戦略があります。

上位を目指すにはいずれも欠かせない、重要な要素です。

大戦略を踏まえ、構築を準備した後は、エントリーまでランクマッチに潜り、構築の完成度を高めること、その構築の扱いに習熟することも必要になるでしょう。


戦術については、ゲーム理論マスカーニャギャンブルカメックスレベリングウォーレンジvs.レンジブラフとテルなどの記事で書いてきました。

戦略については、簡単なポケモンと難しいポケモンその技本当に必要?構築見直しの落とし穴などの記事で触れています。

本記事が面白いと思いましたら、よければ上記の記事もご覧ください。

本日の記事は以上です。




〇告知

最後に告知です。

6/27、香川県でチャンピオンズ対戦オフを開催します。開催概要はこちらの記事をご覧ください。

KaTaGiRiです。 元ポーカープレイヤー。特性はいたずらごごろ。 ポーカーで学んだ知識を基に、主に座学・コラム系のポケモン記事を書いています。記事にいいね頂けるととても喜びます。 たまに香川で対戦オフを開催。