
【考察】なぜ「さみしがり」では攻撃が上がり防御が下がるのか
お疲れ様です。
突然ですが、ポケモントレーナーの皆さんは「せいかく」というシステムをご存知ですか?

せいかくとは、ポケモンのステータスの一種で、25種類(ポケモンチャンピオンズ内では21種類)あります。主な仕様は、こうげき(A)、ぼうぎょ(B)、とくこう(C)、とくぼう(D)、すばやさ(S)のうち二つを参照し、片方に1.1倍、もう片方に0.9倍の補正をかける、というものです(無補正のせいかくもあります)。
この性格というシステムこそ、ポケモンの型に多様性を生み、バトルの戦略性を高めてくれているのです。
例えば、「ようき」。
Aを使いたいポケモンが、Sに+補正をかけたい時に、使わないCに-補正をかける形で採用されます。
では、なぜ「ようき」でCが下がりSが上がるかといえば、至極単純です。
イメージ通りですよね。

あるいは「ひかえめ」ならどうでしょう。
Cを上げる代わりにAを下げます。特殊型によく採用されます。
では、なぜ「ひかえめ」でAが下がりCが上がるかといえば、
イメージですよね。

こうして見てみると、ポケモンの性格は言葉のイメージを少なからず反映してステータス補正を定めていると推測できます。
しかし、何事にも例外は存在します。

なぜ「さみしがり」のポケモンはAが上がりBが下がるのでしょうか。
考えてみればおかしなことです。
「さみしがり」という言葉からイメージされることは、弱さや儚さなど、むしろ攻撃を下げそうなものばかりです。こと「さみしがり」については、これまでのイメージ理論は通用しそうにありません。
そこで、本記事では従来のイメージ理論を更新すべく、なぜ「さみしがり」がこのような補正になっているのかを考察していきます。
1.これまでの活用例
まずは、これまでのポケモン対戦史において、「さみしがり」が採用された例を確認しましょう。
A. 両刀型
↑バンビーchより(剣盾 伝説2体環境)
AもCも使いたい、という場合には「いじっぱり」や「ひかえめ」のような性格ではなく、B,D,Sのうちから-補正をかけるものを選択します。
そこで、Bの優先度が低い場合に「さみしがり」が採用されることがあるようです。
上記のオーロンゲは、定番の壁貼り型を偽装し、初手に呼びがちなザシアンにしっとのほのおを、カイオーガやでんじはを受けに来たヌオー、トリトドンにパワーウィップを打ちに行く対面型での採用です。

B. あえて数値を下げる
↑ポケモン育成考察wikiより
種族値は61-131-211-53-101-13(570)
あえてBの数値を下げたい、という場合には「さみしがり」のような性格が選択されることがあるようです。
上記のツンデツンデは、特性「ビーストブースト」(相手を倒したときに、一番実数値が高い能力のランクが1上がる)を活かすために考案された型です。ツンデツンデはBが高すぎるため、あえて個体値を17以下に下げ、性格下降補正をかけなければ、ビーストブーストをAに発動させることができないのです。
チャンピオンズ以前の作品では、個体値を下げることで行われてきた調整(「ダウンロード」対策、起死回生などのHP減少狙い)が、性格補正によって行われる未来が訪れるかもしれませんね。

2.「わざ」に見る類似例
次に、「わざ」に視点を移してみましょう。
ポケモンの技には、自身のBを下げるデメリットと引き換えに、ハイリターンを得ようとするものがいくつかあります。
代表的なものに目を向けてみましょう。
A. インファイト

代表的なものは、このインファイトでしょう。チャンピオンズでは、メガミミロップやオオニューラなど、およそ寂寥という情緒を理解しえない暴力集団によって多用されています。
技威力や図鑑説明からも分かる通り、ここではとにかく相手をぶん殴るために守りなどかなぐり捨てるという、およそ「さみしがり」とは似つかない精神性のもと犯行が行われているようです。
B. スケイルノイズ

一方、このスケイルノイズは少し違う側面をもっています。
一見すれば、インファイトなどと同じように高火力の担保として防御を捨てたタイプの技に見えますが、次の技を見ると見方が変わってきます。

どうやら、身体を覆うウロコを攻撃に転用したり放出したりするなど、身体を覆うものを外す行為がBダウンの一因となる場合があるようです。
そして、その行為は多くのマイナーポケモンたちが喉から手が出るほど欲しがるAやSにも干渉できるほど強力であることにも着目すべきでしょう。

3.「さみしがり」が有する特徴まとめ
ここまでの情報収集で、およそ「さみしがり」の特徴は網羅できたように思えます。
以下に列挙してみましょう。
・25分の1の確率でポケモンに発現する性格
→最新版では21分の1となっており、近年増加傾向にある
・両刀型
・あえて防御を下げている
・暴力性を帯びている
・身体を覆うものを外す行為との共通点がある
・探してみてもこの性格を採用した型が全然見つからない
しかし、こうまとめてみると、あまりにもとっちらかっているように思えます。
一体どうして、株式会社ポケモンはこれら特徴を総じて「さみしがり」という言葉に閉じ込めようとしたのでしょうか。
考察の果ての困惑。私は歯がゆい思いを和らげようと、ポケモンチャンピオンズを開きました。
そして、ある人物に目が留まったのです。

(なんか最近、ポケモンも「癖」を隠さなくなってきたよな…。いや、まあ昔からそうか…。初代のカスミからして、攻めて攻めて攻めまくる……)
その瞬間、私は気づきました。
この世には、両刀で、あえてガードを下げて、暴力性があって、それでいて「さみしがり」である存在がいることに……。
4.解決篇

――最近、彼が冷たいのよね。他に好きな人でも出来たのかしら。
――あーあ、男がみんな、あなたみたいなら良かったのに。
――ねぇ、私「さみしい」の。
そう、肉食女子です。

肉食女子であれば、これまでの特徴に合致します。
特に、いざ探してみようと思っても全く自分の目には見つからない点などぴったりです。
ここで、このような意見が聞かれるかもしれません。
「いや、女子言うとるけど、オスだってさみしがりになるでしょ」
がっかりさせないでください。
私は今、肉食女子「性」の話をしています。
あなたが普段採用しているイダイトウ♂。彼にもそんな「側面」があって、たとえその身を傷つけることになろうとも、一時の熱に浮かれたいという「性質」があるのだという話をしているのです。
そして、それを2002年から密かに主張し続けてきたのが他ならぬ「ポケットモンスター」なのです。言い逃れができないことは、これまでに積み上げられてきた「歴史」が裏付けています。

5.最後に
ポケモンフェチズム概論、いかがでしたでしょうか。
期末レポートのテーマは「ルッコラは肉食女子か否か論じよ」。直前になって焦るのではなく、日々の授業を大切にして、コツコツと準備しましょう。

ありがとうございました。