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2000チャレンジに敗れて… スマホ新規勢から見たポケモン対戦の考察

はじめに

スマホ版チャンピオンズからポケモン対戦を始めて、レート2000を目指してランクマッチに潜っていた。1996まで辿り着いて、時間さえかければ余裕だと思っていたら、そこから100以上溶かした。もう気力もないので、一旦敗北を認め、最終日は思考の整理に充てることにした。

自分は赤緑世代で、マジック・ザ・ギャザリング育ち。ポケモン対戦は完全に新規で、対戦ゲームに対する思想の根っこにはカードゲームがある。その視点から、このゲームの特殊性について書いてみたい。

使っていた構築

6日目に1957までタッチした構築を改良したもの。カバルドンやバイバニラで起点を作って、メガギャラドスか珠バシャーモ、もしくはカメックスで積む展開構築。

補完軸のカメックスと、受け破壊の急所ブリジュラスは、大根のひとりごと 様の構築から丸パクリさせていただいた。

コンセプトは明快で、現環境で何よりも煙たいミミッキュに対して、何もさせずに倒せるメガギャラドスで舞って、裏から珠バシャーモを投げる。攻め範囲の補完とキャラパワーのゴリ押しで勝てる、というもの。

何が起きたか

最終日2日前、1800から1997まで盛った。時間さえかければ余裕で2000行けると思っていた。

ところが前日に150溶かした。たった1日で、全く勝てる気がしなくなった。

ちらほらメガギャラドスを勧める情報も目にしていたので怪しいなとは思っていたけど、メタの変化に圧殺された形だった。ちょうど「しぐまるチャンネル」で「勝ち馬はみずタイプ」的な動画が出ていたから、巻き込まれた印象がある。せっかくみずタイプで全抜きしていたのに、みずタイプで止められてしまった。

具体的にはこんな感じだった。

  • 対策なのか、技スペのきついバシャーモやクチートから雷パンチが飛んでくる

  • アシレーヌの増加がとにかく重い。アンコールがあるし、パワーウィップを当てないと勝てないし、当てても飛ばないし、積めていないから裏も受けられない

  • 壁を意識した初手の積みエース投げや、カバルドン読みで強気に突っ込んでくる控えめメガリザードンYなど、強気なプレイで出し負けが多発。読みやすい構築なので別にやられても不思議ではないけど、あまりにもやられすぎた

  • サーフゴーやとんぼがえり・クイックターン持ちなど、カバルドンへの逆風も重かった

以上がたった1日、しかも低レート帯(20,000〜30,000位)で起きたことに驚きを禁じ得ない。


ポケモン対戦の特殊性

この衝撃体験を経て、ポケモン対戦というゲームの構造的な特殊性について考えたことを書いてみたい。

数値化の困難さ

18タイプ×18タイプの複合タイプの相性が複雑なだけでなく、特性による個別事象が多すぎて、「数値が高いから強い」とは全く言えない。全ては相性という一言に尽きる。

カードゲームだと、つまるところ、1枚のカードが作り出すアドバンテージには限度がある。AoEで1対2、1対3の交換をしても、せいぜい2〜3枚分のカード・アドバンテージが上限だと思う。

ところがポケモン対戦は、相性の影響が強すぎて、有利対面を作ると相手はロック状態になる。1リソースで相手をロックできるのか、と衝撃だった。ターンアドバンテージを奪うだけでなく、交代先への高負荷まで強いられる。カード・アドバンテージなんてものがチャチに見える。

カードゲームの基本である1対1交換が、ポケモンにおいてはみちづれという「無法の極み」なのだから、とにかくリソース交換が成立しにくいシステムだということがわかる。

「択」の多さ

。この言葉をこれほど聞くゲームは他にない。

ここで言う「択」は、ターン中の行動選択だけではなく、不完全情報の中で、正解がわからないまま選ばなければいけない判断全般を指している。選出、初手、構築、型の選択、全部択だと思っている。

特に重いのが、相手が選ぶ可能性がある6匹のうち、最もありそうな3匹に対して自分も3匹を選ぶ選出択。その中で最初の対面を決める初手択。ここまでで不利を取ると、体感7割は勝てない。

3匹・12の技で見れる範囲は限定的で、相手の重い要素に対しては、ある程度見切る必要がある。タイプは18あるのに、全て攻撃技にしても70%未満の範囲しかカバーできない。実際には補助技も持つのだから、半分もカバーできない。すごいシステムだと思う。

何より、択というのは強ければ絶対勝てるものではなく、複雑なじゃんけんでしかない。仮に80%勝てる択でも20%は負ける。しかもそんな択は多くなくて、多くがまずまずの確率で負ける択をしている。もちろん全パターンの筋を読めれば択は強くなるので、強いプレイヤーが択に弱いということはまずないと思うけど。

4匹選出ルールで考えるとわかりやすい

この択の重さは、4匹選出というルールを想像するとわかりやすい。

技の範囲は16種になり、タイプカバーにかなり近づく。出し負けで2対3から始まるゲームと、3対4で始まるゲームでは、挽回可能性が全く違う。プレイヤーライフやデッキ枚数でゲーム性がガラッと変わるのは、ポケポケなんかもわかりやすい例だ。

構築は最大の択

故に、択の元となる構築が持つ意味はとてつもなく大きい。相手に択を押し付け、自分は対応範囲を持つという、極めて緻密な営みになる。

構築も大きい意味で択だと思う。「択は弱いから構築を頑張っている」というプレイヤーも、構築択が強いんじゃないだろうか。

受け構築が強い理由

受け系の構築にもたまに当たったが、多くが連勝して2000付近をぶち抜いている様子をよく見た。

こういう構築が強いのも、択をしなくて済むからだと思う。フェアな構築が素早さと耐久の押し引きをする中、耐久の2ステータスに数字を回して、高速で耐久を積み、ボディプレスを押すだけ。相手が構築段階の択として回答を仕込んでいなければ勝てるのだから、勝率の底上げは容易い。

物理要塞と特殊要塞を用意するだけで、相手に物理の破壊役と特殊の破壊役を同時に要求できるのは、極めてアンフェアだと思う。あまり当たらなかったから良かったけど、選出択も簡単でパクりやすい。これがはびこると面白くなくなるから、急所率は明言されないんじゃないかとすら思う。

型バレは構造的な弱さ

さらに技・持ち物・努力値などのカスタマイズによる型が、択の複雑さに拍車をかける。

ここで言いたいのは、特殊な型にびっくりするとか不快に思うとかいう感情の話ではなくて、相手が想定した択に勝っても、その前提が間違っていれば勝つことができないという構造の話だ。

だから、型読みがしづらいポケモンやマイナー型は、択に勝ちやすくて強い、と言うのが正確なんじゃないかと思う。裏を返せば、型バレしている場合は、択勝負に負けやすく弱い。サザングロスなんか使っていると、有利択をしているのか不利択をしているのかわからなくなってくる。

メタが回るという必然

この複雑な相性ゲームと、択の多さ、ひいては択を誤らせることがこのゲームにおいて重要であり、だからこそこんなにもメタが回るのだと思う。

統一パとか、マイナーポケのような、他のゲームで見かけたら「まともに勝つ気あるのか」とファンデッキにしか見えないものが、ポケモン対戦ではトップレートに食い込んでくる。これはプレイヤーの技量が上手すぎるというより、構造上の必然にも見える。

ずっとトップメタを使い、それを潰せる次のメタを創作する真のトッププレイヤーや、大量にリソースを投下してそれに食らいつくプレイヤー以外は、一見ファンデッキに見えるものを使った方が勝てるし、何より楽しいんじゃないだろうか。


おわりに

2000には届かなかった。悔しいけど、負けたからこそ見えたものがある。カードゲーム育ちの自分には、「構築は最大の択」という感覚が、書いていて一番しっくり来た。

今シーズンの自分の構築は、まさに自分で書いた構造上の弱さを詰めこんだような構築だった。プレイングを頑張ったといえるんじゃないかというほどに。


次のシーズンは、もう少し択を押し付ける側の構築を組みたいと思う。

赤緑世代 マジック・ザ・ギャザリング育ち サイカトグ使ってるやつ大体友達